イマーシブ・フォート東京が“正念場” 森岡氏の「最大のライバル」は?新作は2万円超えの晩餐会(1/2 ページ)

» 2025年02月04日 19時10分 公開
[菊地央里子ITmedia]

 刀(大阪市)は2月4日、子会社の刀イマーシブ(東京都千代田区)が運営する「イマーシブ・フォート東京」のアトラクションを大規模リニューアルすると発表した。開業後1年間の来場者の動きを分析し、これまでの14作品から、3月以降は4作品に絞って展開する。

tokyo 「イマーシブ・フォート東京」が大規模リニューアル(プレスリリースより引用、以下同)

 イマーシブ・フォート東京は2024年3月に開業。お台場にあった商業施設「ヴィーナスフォート」を活用し、イマーシブ(没入)体験を売りにしたテーマパークだ。ゲストは物語の登場人物の一員として、各作品の世界観に没入できる。異なる演劇が各所で繰り広げられ、ゲストごとに異なる体験を楽しめるようにした。

 刀の森岡毅CEOによると、開業後1年間は大きく分けて2パターンの作品を提供していたという。「ライトなイマーシブ体験ができる作品と、ディープなイマーシブ体験ができる作品を用意していた。イマーシブ体験の認知度が低かったこともあり、ライトな作品で障壁を下げる狙いがあった」(森岡氏)

tokyo イマーシブ(没入)体験を売りにしたテーマパーク

 ところが、来場者の7割超がディープな作品を選んでいることが分かった。中でも「ザ・シャーロック〜ベイカー街連続殺人事件」の動員数は15万人(2024年3月〜2025年2月)を突破。1万4800円と高価格な「江戸花魁奇譚(えどおいらんきたん)」のチケット完売率は97%(2024年3〜12月)を記録した。

 こうした来場者の動向を受け、森岡氏は、ライトな作品をなくし、ディープな作品のアトラクションに集中することにした。「ライトな作品にも、多くのファンがいらっしゃるので、やめるという決断は難しかった。だが、ライブエンターテイメントを進化させるというイマーシブ・フォート東京の原点を思い返し、決断に至った」と話す。

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