これには「鶴瓶さんがかわいそう」「明らかに過剰反応」という批判が多く寄せられる一方で、広告業界やコンプラ界隈の人たちからは「これから新たにどんな情報が出てくるか分からないので危機管理的にはしょうがない」「ブランドイメージの悪化を避けるためには苦渋の決断では」といった声が出ている。
ただ、報道対策アドバイザーとしてこの手の問題に対応したこともある経験からいわせていただくと、今回の対応は「危機管理」ではない。危機の発生や拡大を防ぐという本来の目的と180度真逆の結果、つまりは「新しい危機」を招いてしまっているからだ。
確かに、これから鶴瓶さんが今回の「トラブル」や中居氏とフジテレビとの関係に関与していたという「続報」が出る可能性はゼロではない。しかし、それは出てから対応すればいいだけの話だ。
そもそも危機管理における意志決定は「事実」に基づくことが鉄則だ。危機発生時のワークフローなどでも事実確認の徹底や三現主義(現場、現物、現実の重視)に基づく社内連絡や経営判断が求められる。
なぜそこまで「事実」にこだわるのかというと、「ムード」「予感」「先入観」「思い込み」などのカンピュータ的な経営決断は、その場は勢いで乗り切れても、そのしわ寄せから組織にさまざまな「ゆがみ」がもたらされるからだ。
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