実際、農水省の「民間在庫の推移」によれば2024年7月は82万トンで、前年7月在庫(123万トン)に比べて41万トン少ない。農水省が「解決」を叫んだ9月以降どうなるかというと、9月で前年比マイナス50万トン。10月も同マイナス44万トン、11月も同マイナス43万トン、12月も同マイナス44万トン。
つまり、スーパーに米が並ぶようになっただけで、2024年秋から根本的な問題は何も解決していなかったのだ。
こうなれば米価が高騰するのも当然だ。2024年に比べて明らかに在庫が少なくて新米が出ても状況は何も変わらないとなれば、取引価格は自然に上がっていく。さらに、中間業者としては商品がなければ“商売あがったり”なので、とにかくなくなる前に買い込んでおこうとなり、価格はさらに釣り上がっていく。
つまり、米の価格が「5キロ4500円」なんて庶民が目を疑うほど高くなったのは、農水省とJAが50年続けてきた失政のツケをここにきて一気払わされているからなのだ。
では、われわれはどうすればいいのか。個人的には国が「日本米の海外輸出」を進めていくしかないと思っている。
拙稿『農水省「コメの投機的な買い占め説」は胡散臭い…米価高騰の悲願を達成した「真犯人」の正体』(ダイヤモンドオンライン 2月13日)の中で詳しく解説したが、世界では自国民の胃袋を支える穀物や野菜、畜産物はまず大量増産の体制を構築して、海外に輸出するのが当たり前である。不作や気候などで生産量が大きく落ち込んだ際にも、輸出分を引き上げることで自国民を飢えないようにするのだ。
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