有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。
ライザップグループが展開する24時間セルフジム「chocoZAP」(チョコザップ)が、店舗数と会員数の双方で堅調な成長を見せている。2月14日に発表されたグループの2025年3月期 第3四半期(以下、Q3)決算補足資料では、グループ全体が3期ぶりのQ3累計での連結営業黒字を達成し、そのけん引役としてchocoZAP事業の存在感が際立つ。
とりわけ注目すべきは、同社が店舗に新たに導入し始めた「カラオケルーム」である。セルフ脱毛、エステ、セルフネイルなど「ジムらしからぬサービス」のラインアップに、なぜさらにカラオケを追加するのか。その理由を探ってみたい。
まず、ライザップグループのQ3決算補足資料を見てみたい。それによると、2025年10〜12月期の連結営業利益は27億円で、前年同期比+15億円、前四半期比+22億円の大幅な改善となった。4〜12月の累計(Q3累計)でも3期ぶりに黒字に転じた。好調要因の一つが、chocoZAPの投資戦略の変更である。同社はこれまで急速な店舗拡大と広告宣伝を積極的に進めてきたが、昨今は広告費の一部を顧客満足度向上のための施策に振り向ける方針を強化している。
具体的には、店舗設備の修繕やメンテナンス体制、QRコードによる故障連絡システムやサポート会員制度などの拡充によって、既存会員の不満を解消し、利用頻度を維持・向上させる仕組みを整えつつある。
また、法人会員プログラムの強化やSOMPOホールディングスとの協業による福利厚生メニューの拡充など、企業向けアプローチも会員数や店舗数の伸びに貢献している。
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