アウトソース先との相性は重要である。この相性も物流アウトソースの成否を占うポイントと言えそうだ。せっかく長く付き合っていくのであれば、相性の良い会社と取引をしていきたいものである。
自社の求める物流を実施してもらうために、自社の要求水準を満たすかどうかあらかじめチェックしておこう。そのためのツールがRFI(Request for information)、情報提供要求である。
このRFIは、アウトソース先の候補会社を絞り込むために実施する。つまり数多くの会社の中から、発注の可能性がある複数の候補に絞り込むことだ。方法はアンケート形式で先方に提示し、指定フォームに記入の上、返してもらう方法で実施する。
RFIにはSQDCM、つまり安全、品質、納期、コスト、マネジメントの5つのカテゴリーごとに質問を作成する。また回答を評価するために4段階の基準(図2)を設けよう。
一つ例を挙げてみよう。品質のカテゴリーで「誤出荷率」という項目を設定したとする。この率がどれくらいかによって採点できるようにすることが望ましい。4点は30PPM以下、3点は60PPM以下、2点は60PPM超、1点はデータなし――というように、回答に応じてレベルを把握できるようにしておきたい。
ここで「データなし」を1点としているが物流は往々にしてデータを把握していないケースが多いようである。そこで、「データなし」の場合は管理ができていない証拠でもあるので0点とすることも考えられる。このRFIについても質問項目を上手に設定することで、大体のアウトソース先の実力を知ることができるとともに、自社との相性も判断できる。
ただし一点大切なことがある。それはこのRFIはあくまでもアンケート形式のため回答はあくまでもアウトソース先の自己申告ベースに他ならないということである。
やはり長く付き合う会社は実際に訪問して物流作業の実力を自身の目で確認しておきたい。RFIで確認が必要と思われる項目についてはこの場で解消する。アウトソース先には、自社の物流を受け持つ監督者自らが訪問することが望ましい。訪問時にはRFIの確認以外に「物流現場の確認」と「経営者との面談」を実施したい。
前者では、例えば次のような内容を確認しておこう。
これらについてはあらかじめチェックシートを準備し、RFIと同様に採点できるようにしておこう。また経営者の口から語られる内容も要注意である。時々、大手物流会社でさえ品質不良が話題になることがあるが、この背景には現場の実態を管理監督者や経営者が把握していなかったことが考えられる。経営者がどこまで現場の実態を認識しているかについては、会話をすれば分かることだ。
これらの活動を通して、決めごとをしっかりと守り、顧客を裏切らない会社かどうかをきちんと見極めておきたい。
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