最後に気になったことをひとつ。なぜスタバは同じ施設内に複数の店舗を出店しているのに、競合チェーンはそうしないのか。商業施設内に複数のカフェチェーン店が存在するケースは珍しくないが、それらは異なるブランドであることが多い。
少し考えてみると、他社にもできそうに思える。例えば、テークアウト専門店や、書店・花屋との併設店なら、それほどハードルは高くなさそうだ。
にもかかわらず、なぜスタバにはできて、他社はやっていないのか……または、やろうとしないのか(これから取り組もうとしているのかもしれない)。こうした現象が起きている背景について、植月さんは「積み重ね」という言葉を口にした。
植月さんによると、スタバはお客さんとのコミュニケーションを大切にしており、そうした交流を楽しめる人たちが集まっているという。「こうすれば、同じ建物内で複数の店舗を運営できますよ」といった明確なマニュアルはなく、「こういうことがしたい人たちが集まっている。だから実現できた」というのだ。
ややふわっとした話に感じられたかもしれないが、スタバが同じ施設内に複数の店舗を展開できるのは、「ターゲットを変えた戦略」と「ブランドの積み重ね」が大きいようだ。取材を通じてそのことが見えてきたが、他社が簡単に真似できないのは、「積み重ね」が十分ではないからかもしれない。
ルクア大阪のスタバは、これからどう進化していくのか。夕方から夜にかけて営業するナイト店ができるかもしれないし、健康志向のヘルシー店かもしれないし、スイーツ&デザートの専門店が誕生するかもしれない。
もしかして、数年後には「10店舗になりました」なんて日が来るのかもしれない。
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