2024年にMakuakeで発売し、1億円以上の応援購入金額を集めた「吸着式衣類スチーマー Morus V6」という商品があります。一般に多く出回っている衣類スチーマーはこれまで、「スチームの量」や「軽さ」などが改良ポイントでしたが、本商品は掃除機の「吸着」要素を追加するというアプローチの新商品です。
「まるで『衣類スチーマー+ミニ掃除機』」というコンセプトで、スチームを出しながら、「空気のアイロン台」と称する吸着機能を付与。吸着することで、片手で楽に、かつしっかりとシワを伸ばせる両立を実現しています。
実際に本商品の応援コメントにも「横着な自分にとって画期的な商品」「こういうスチーマーがまさに欲しかった」など、隠れていたニーズがまさに顕在化していることが分かります。ただ、このようなアイデアの種は実はユーザーの声を聞いても出にくい「隠れ不満」であることも多く、盲点になりがちです。
この「Morus V6」についても、吸着機能がユーザーにとって「言われてみれば、確かにそうだ」となり、6600人以上が購入したヒットにつながったのだと考えられます。
ユーザーヒアリングや市場調査ではどうしても最大公約数の意見に目が行ってしまいがちです。しかし、実は少数意見の中に本当に解決すべき「隠れ不満」が眠っている可能性があるかもしれませんし、そもそも顕在化していない可能性もあります。そのためには常識を疑い、少し視点をズラして盲点を探してみることが重要になるのではないでしょうか。
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