なぜ「ブタカフェ」が増えているのか? 小さなブタが生み出した意外な収益モデル週末に「へえ」な話(4/4 ページ)

» 2025年03月29日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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大きな課題が2つ

 店舗数をじわじわ増やして、マイクロブタの販売数も伸ばしてきたわけだが、大きな課題がある。それは、診察してくれる病院が少ないことだ。

 犬や猫と比べて、マイクロブタを飼っている人は圧倒的に少ない。そのため、診察できる病院も限られているのだ。家族の一員として迎え入れたいという気持ちはあるものの、近くに病院がない。「ブタさんが病気になったらどうしよう」といった不安から、購入に踏み切れない人も。

 こうした問題をどのように解決すればいいのか。北川さんは「カフェを増やし、全国に展開することが解決策のひとつと考えています」という。どういう意味か。

 2020年3月、1号店のオープンから1年が過ぎたころ、マイクロブタの販売数は34匹だったが、診察可能な病院は20カ所しかなかった。しかし、現在は販売数が1800匹を超え、それに伴い病院も200カ所に増えている。つまり、マイクロブタの普及とともに、診察環境も整ってきているのだ。

 もう1つの課題が「保険」である。

 マイクロブタの販売を始めて、まだ10年がたっていないこともあり、保険商品がない。ブタにどのような保険を適用すべきか、保険会社も慎重になっているようだ。

 マイクロブタの飼育環境は少しずつ整いつつあるが、まだまだ課題も多い。それでも、かつて20カ所しかなかった病院が10倍に増えたように、販売数の増加とともに環境整備も進んでいる。

 このカフェに行けば、”豚(とん)でもなく”人を癒やしてくれる――。こうしたクチコミが広がれば、ブタがもっと身近な存在になる日も、そう遠くないのかもしれない。

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