地元ブレンド開発のきっかけは、2017年にさかのぼる。当時の九州支社長が本社を訪れた際、開発チームに「九州では苦味がなくまろやかで、少し酸味のあるコーヒーが好まれる」と話したそうだ。
味の素AGFでは、以前から全国の消費者を調査しており、「インスタントコーヒーとレギュラーコーヒーのどちらを好むのか」「ミルクや砂糖を入れて飲むのか」といった好みについて、地域ごとに差があることは分かっていた。九州支社長の言葉をきっかけに、木村氏を含む開発チームはさらに詳しく分析を開始。これまで蓄積していた好みに関するデータに加え、売り上げデータからも、地域ごとの人気商品に偏りがあることが分かった。
実際に九州に赴き、地元の喫茶店で出されるコーヒーも調査した。開発チームのメンバーが実際にコーヒーを飲んで、味わいを4象限にプロットし、九州の人が好む味わいをデータ化していった。「その結果、支社長の言葉通り、九州ではまろやかな風味のコーヒーが好まれ、売れていることが分かりました」(木村氏)。この結果をもとに、九州の人が好むコーヒーの開発に着手した。
通常の商品では、マーケティング部門が一貫して開発を担当する。しかし九州で人気のコーヒーを再現するには、九州をよく知る人の意見が欠かせない。「そのため、開発チームに九州支社の営業担当者を加えました。地元で生活しながら、日々小売店を回る営業担当者は、その土地の好みに詳しいからです。コンセプトの策定から味わいの決定まで、営業担当者から意見をヒアリングしながら進めました」(木村氏)
約1年かけて開発し、2018年秋に発売した九州エリア向けの地元ブレンド。社内からは「そんなニッチなもの作って売れるの?」と懐疑的な声多かったというが、想定以上に売れたという。
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