物価の高騰に賃金が追い付かない状態が3年ほど続き、消費者の財布はかなり厳しくなってきた。そうした中で、われわれの主食、コメの高騰は財布にも痛く、心理的にもかなりダメージがある。
スーパーで販売されているコメ5キロの平均価格は4000円を超えており、2024年比で約2000円値上がりしている。特売で銘柄米が4000円を下回ると、すぐに売り切れる状況が続いており、大都市・地方を問わず供給がひっ迫している。
青果でも、キャベツや白菜、レタスなどが天候不順により収穫量が確保できず、通常の数倍の値段になっている。まさに弱り目にたたり目となって、家計のやりくりはかなり苦しい。
食品や生活必需品を供給するスーパーなどの現場でも、消費者の買い上げ点数が下がっていることに加え、値動きに敏感に反応した客足の変化が分かるため、価格転嫁もかなり難しくなっている。そのため、人件費や電気代などのコスト上昇をカバーできなくなってきた。
上場スーパーの直近の決算を見ると、多くの企業が増収減益となっており、収益を確保していくことの難しさが浮き彫りになっている。消費者はこれまで以上にディスカウント系チェーンやドラッグストアの利用頻度を高めており、価格訴求型の業態が相対的に客数を増やしているようだ(図表1)。
そこで、いまスーパー各社が取り組んでいるのが、商品価格を安く提供しつつも収益を確保できる、プライベートブランド(以下、PB)商品の強化である。PBは物価高時代におけるスーパーの救世主となれるのか、PBの活用によりスーパーという業態がどのように変わるのかを考察したい。
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