西友の売却に見る「総合スーパー」の終焉 かつてダイエーと争った“王者”の行方は?小売・流通アナリストの視点(1/6 ページ)

» 2025年01月31日 10時00分 公開
[中井彰人ITmedia]

 大手総合スーパー西友が売りに出され、その行方が注目を集めている。現在の支配株主は米国不動産ファンドKKRで、それまで非開示であった決算も2022年度、2023年度と黒字化していることが公表されていた。2024年には北海道と九州の店舗を分割譲渡していたことから、「そろそろ出口が近づいたか」とうわさされていたが、ファンドとして相応の売値が見込めるまでに整ったということであろう。

売却が発表された西友(西友公式Webサイトより引用)

 西友といえば、かつてはセゾングループの中核企業であり、ダイエーと覇権を争った時代もあった。しかし、グループ崩壊後は世界最大のスーパーのウォルマート(米国)の子会社となり、ウォルマートが実質撤退した後にKKRに譲渡された。

 西友の2023年度の業績は、売上高6647億円、経常利益270億円 。その後、九州(売上高970億円)、北海道(売上高261億円)を分離売却しているため、単純計算だと売上高は5400億円規模で、店舗の大半を三大都市圏に展開している。この店舗網がどの企業のものになるのかによって、小売業界の相関図にも少なからず影響が出るため、業界でも注目が集まっている。

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