絶好調「オーケー」を倒せるか トライアル&西友タッグが秘めている巨大な可能性長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2025年03月31日 13時45分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

なぜ「価格破壊」できるのか

 それにしても、なぜ「EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)」を貫けるのか。

 理由の一つは、グループ会社にMLSという物流の会社を有しているからだ。全国に常温、チルド、フローズンの倉庫を配置し、メーカーから集荷した商品を仕分けして、店舗に直接輸送するシステムを構築している。これにより、卸売業者の中間マージンが発生しないから、安く販売できる。

 もう一つは、明治屋という総菜・弁当の会社を有していること。さまざまな分野の料理人や職人が40〜50人在籍してメニューを考案しており、製造も自ら行うので、安い。

 加えて、トライアルの前身は1984年よりPOSシステムなど流通業向けソフトウエア開発やPCの販売を行っていて、IT系の会社だった。そのため、自社開発したITによる業務効率化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に長けている。

 スーパーに進出したのは1992年だ。その後、米国で流行していたウォルマートのような衣食住すべてをワンフロアーで展開する業態を目指し、1996年には北九州市で「スーパーセンター トライアル」1号店をオープンしている。

 トライアルのIT活用は多岐にわたる。中でもAIカメラによる店舗監視システムが面白い。カメラで店を見張るというと万引き防止が思い浮かぶが、トライアルの活用法はそこにとどまらない。AIカメラを使って陳列棚の状況をチェックし、店員が見回らなくても欠品を回避する仕組みだ。商品ごとの売れ行きを把握して、棚割の最適化をも実現できる。

スキップカート(出所:トライアルホールディングス公式Webサイト)

 カートにタブレットを取り付けた「スキップカート」も1月時点で240店以上に導入している。商品のバーコードを読み込む機能があり、クーポンの対象商品ならば画面に表示されたクーポンを使える。バーコードを通した合計金額も表示するので、予算に合わせた買い物も可能だ。あらかじめチャージしたプリペイドカードとセットで使うので、専用ゲートにて簡便に決済ができる。長いレジ列に並ばなくて済む。

 このように、リアルとバーチャルの両面で、無駄なコストやストレスを解消しているから、EDLPを貫けるのだ。

プリペイドカードにお金をチャージして、スキップカートを使用する(出所:トライアルホールディングス公式Webサイト)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR