ドリンクスマイルセミナーの内容や運営方法は、一般社員向けと新入社員向けで変えている点はないという。乾杯の仕方や注ぎ方、上座・下座など「酒席のマナー」というコンテンツも用意しており、先方からの希望があればレクチャーするそうだ。
近年は、社内研修でアルハラについて取り上げる企業も多い。あえてサントリーにセミナーを依頼する理由について、大橋氏は2つあると分析する。1つはアルコールへの意識の高まりだ。「2024年2月に、厚生労働省が『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を発表しました。社会全体でアルハラや適正飲酒に対する意識が高まっていることが、セミナー依頼につながっていると考えています」(大橋氏)
2つ目が、コロナ禍で社内交流が減ったことだ。「ドリンクスマイルセミナーはグループワークが多いです。実際にお酒を飲みながら参加する体験パートもあります。セミナーに参加しながらコミュニケーションを誘発できることが、一般的な社内研修と異なる点です」(大橋氏)。実際にドリンクスマイルセミナーに参加した企業からは「お酒について学びながら、社内の親睦にもつながった」「研修の最後に、打ち上げ感覚で参加しながら勉強できた」といった声が寄せられているという。
若者の酒離れが叫ばれている昨今、新入社員向けのドリンクスマイルセミナーは若者の「生の声」が聞ける貴重な機会とも言える。その声を今後の商品開発に生かすこともできそうだ。「いただいた声や反応を、今後の商品開発に生かす可能性もあります。ですが、ドリンクスマイルセミナーの目的は商品開発のためではなく、適正飲酒とお酒の価値を啓発することです。そこはブレないようにしていきたいです」(大橋氏)
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