「しつこく名前を連呼」「怒鳴られた」──これってカスハラ? 東京都「防止条例」で何が変わる?4月1日施行(3/3 ページ)

» 2025年04月01日 06時00分 公開
[佐藤みのりITmedia]
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もし自社の従業員がカスハラ被害に遭ったら……

 もし自社の従業員がカスハラ被害に遭ってしまったら、会社は東京都のカスハラ防止条例や指針なども参考にしながら、顧客や取引先からの不当な要求に対して、毅然と対応する方針を定めるべきだと思います。

 従業員がカスハラ被害に遭った疑いが生じた場合、企業内で情報を共有した上で、顧客の要求が妥当か、要求の仕方に問題がないかを検討し、顧客にどのように対応すべきか、対応方針を決めましょう。

 場合によっては、会社が弁護士に相談したり、顧客対応を依頼したりすることも有効です。何度もしつこく店に来てカスハラを繰り返しているようなケースでも、弁護士から「今後のクレームは弁護士を通してするように」と一枚書面を送付しただけで、不当な言動が止むことも珍しくありません。

佐藤みのり 弁護士

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慶應義塾大学法学部政治学科卒業(首席)、同大学院法務研究科修了後、2012年司法試験に合格。複数法律事務所で実務経験を積んだ後、2015年佐藤みのり法律事務所を開設。ハラスメント問題、コンプライアンス問題、子どもの人権問題などに積極的に取り組み、弁護士として活動する傍ら、大学や大学院で教鞭をとり(慶應義塾大学大学院法務研究科助教、デジタルハリウッド大学非常勤講師)、ニュース番組の取材協力や法律コラム・本の執筆など、幅広く活動。ハラスメントや内部通報制度など、企業向け講演会、研修会の講師も務める。


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