さて、そんなセブン&アイの立場はさておき、「過労で心が壊れる人」が増えていると聞いて、モヤモヤしている人も多いはずだ。
コンプライアンス重視が叫ばれ、管理職が部下を注意する際にも心を傷つけないよう注意するのが当たり前の時代、心を病む人が減ったというなら理解できる。しかし、現実はコンプラを重視するほど「病む人」が増えているのだ。
実は、この理由は非常にシンプルだ。いくらコンプライアンスだダイバーシティだときれい事を並べたところで、日本企業の「ビジネスモデル」は基本的に何も変わっていないからだ。
稼ぎ方が変わらなければ、働き方も変わらない。むしろ、職場で新しいルールやスローガンが唱えられ、コンプライアンス研修が増えたことで「余計な業務」が増えている。現場で働く人の心と体がますます追い詰められているのだ。
「いやいや、さすがにそんなことはないだろ」と驚くかもしれないが、このあたりは38歳の店長が亡くなった大分のセブンを見ればよく分かる。
まず、大前提の事実として大分では若者の人口が急激に減少している。例えば令和2年(2020年)国勢調査における大分県の若年女性(20〜39歳)人口は9.8万人。前回5年前の調査が11.4万人なのでガクンと減っている。もちろん、この傾向は男性も同じだし、他の世代も減っている。
若年層が万単位で減少している以上、バイトの確保が年々難しくなっているのは言うまでもない。そうなると「低賃金労働者」に依存するコンビニというビジネスモデルは、転換を余儀なくされるはずだ。具体的には店舗数の整理・統合を進めたり、営業時間を短縮したりするのだ。
しかし、残念ながら大分のセブンからは、そのような動きがあったことは読み取れない。
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