武蔵小杉に横須賀線の駅を作ったのは正解だったと筆者は考えている。地域の住民が利用するだけではなく、南武線から乗り換えて横須賀線方面に向かう人も多く現れたからだ。
武蔵小杉駅の横須賀線ホームは、以前は1面2線の島式ホームで、上下線の利用者をさばいていた。しかし、利用者の増加により、ホームに人があふれるようになった。そこで、2022年12月に下りホームが新たに設置され、既存のホームは上り方面の利用者のみの利用となった。このホームができたことで、朝の通勤時間帯は約3割程度の混雑緩和となっている。
横須賀線や湘南新宿ライン、相鉄やJR直通線のある武蔵小杉駅は、多くの人が利用するようになり、当初の想定を超える対応が求められるようになった。各路線のホームが離れていても、乗り換える人がそれぞれを行き来し、東急とJRの乗り換え利用者も多い。それぞれのホームが離れていたとしても、武蔵小杉駅にホームを増設しなければならなかった理由は、利用状況を見れば至極当然のことであった。
現在の横須賀線は、通勤ラッシュ対策の「国鉄五方面作戦」のために貨物線を旅客線に転用した路線である。また、かつて工業地帯だった武蔵小杉エリアは、現在では商業や住宅を中心とした街へと姿を変えた。その地域の発展に合わせて新たにホームが設けられたが、もし整備が行われなければ、混雑が集中したままとなり、さらに深刻な混雑を引き起こしていた可能性もある。
地域の発展とともに大きく形を変えてきた武蔵小杉駅。それゆえに、離れた場所のホームができ、そのホームの利用者も増えるといった歴史をたどってきた。武蔵小杉のホームがそれぞれ離れているのは、地域と路線網の発展の証明とも言えるだろう。
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