かつて北海道のローカル家具店であったニトリが、ここまで圧倒的な存在になれた理由は、彼らが自称する「製造物流IT小売業」を実現したことによるのは間違いありません。ざっくり言えば、製造物流IT小売業とは、オリジナル商品の、自社での製造、物流、販売の各工程をITでコントロールしたサプライチェーンを構築し、その効率性によって実現したコスパで圧倒的な競争力を実現した小売業、ということになります。
このあたりについては、各種のニトリ本や関連記事が多数ありますが、まずは「ニトリ IR資料室」で検索して、統合報告書をチェックしてみてください。本文では、以下2点だけ、ライバルとの違いを説明したいと思います。
ニトリは、自社企画した製品を海外生産したことでコスパの高い商品を実現したことも重要なのですが、それ以上にすごいのは、家具の「置き在庫」をなくしたことがコスパ実現につながっていることです。家具は単価も高く、売れる頻度も低く、置いておく場所もとるので、売場に並べるだけでもけっこうコストがかかります。
一般的な家具屋に置いてある在庫は、家具屋の在庫ではなく、問屋が在庫負担して売場に置いている「置き在庫」が普通でした。そして、売れた時に、問屋→家具屋→消費者という所有権移転が同時に起こった、ということにしていました。(この構造はアパレルとベースは同じです)そうしないと、いつ売れるかわからない商品を、資金力に乏しい小売店が仕入れられなかったからです。
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