タオルシュラフは、夏の需要に加え、冬用シュラフのインナーとして活用されるなどコンスタントに売れ続けている。西染工ならではのタオル生地の質感と、コットンという天然素材の良さが差別化のポイントになっている。
「一般的なシュラフの化学繊維特有のシャカシャカ感が苦手な人や、洗濯のしやすさを求める人のニーズを捉えたことが好調な要因」と福岡さんは分析する。
広げた状態で2枚合わせにできるようにしたことで、ファミリーキャンプでも使用しやすい仕様とするなど、機能面でも工夫した。親子で一緒に使えるという提案は、家族でのキャンプを楽しむユーザーに響いた。タオル製造の工程を熟知しているからこそ可能になる製品開発が、同社の強みとなっている。
また、アパレル製品として「nishiデニム」も展開している。カバーオール(2万8600円)、プルオーバーシャツ(1万3200円)、スモック(1万7380円)など現在5つのラインアップで、これらも社内で一貫生産している。
糸の中心が染まらないような染め方をしているため、着込むほどに中の白い色が浮き出てくる。一般的な衣類とは異なり、ジーンズのような経年変化を楽しめる仕様だ。アパレル商品を拡充する意図について、福岡さんは「今治タオルメーカーとしての技術力を示したい」と語る。
日本のアパレル業界では海外製造が主流だが、日本製にこだわることでブランドイメージの向上を図る考えだ。
独自性の高い同社の商品は、海外からも注目されている。韓国や台湾からの引き合いもあるが、海外輸出の経験がないことが現状の課題となっている。
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