雪塩さんどの成功には、ブランディング戦略も大きく貢献している。特徴的なのは、「雪塩ブルー」と呼ばれる鮮やかな青のパッケージデザインだ。
今でこそ定着したものの、デザイナーから最初にデザイン案が上がってきた時は、西里社長も腰を抜かしたという。
「青は食べ物がおいしそうに見えない色なので、お菓子のイメージと結び付きづらいんです」
そのため、最初は社内でも「鮮やかすぎるのでは」と賛否両論があったという。
しかし、この目を引くブルーのパッケージを前面に押し出したブランディングが、シリーズ商品全体の相乗効果を生み出した。
「紙袋も、売り場の展開も、商品開発も、すべてブルーの色調で統一しています。それにより、お客さまには同じシリーズのお菓子として認知していただいています」
雪塩さんどでは、これまで実施してこなかった革新的なマーケティング戦略も展開した。その1つが、動画でのプロモーションだ。
「ただCMを作るのではなく、CMに合わせて踊ってみたらおもしろいだろうと思い、『雪塩さんどDEダンス』という参加型の企画も実施しました。このように、販売促進のために、かなり新しいことに取り組みました」と話す。
もう1つは、2024年に那覇の中心街である国際通りを、雪塩ブルーに染める施策だ。
「国際通りを雪塩ブルーでジャックするべく、商品を買っていない方にも紙袋を配るようにしました。そういった仕掛けや仕込みが、かなり効いていると思います。今でも飛行機に乗る時は、何人が袋を持っているのか数えてしまいます」
こうしたビジュアル戦略は、紙袋という観光客にとっての実用的な価値と、広告効果という2つの側面で成功を収めている。デザイナーのアイデアと西里社長の決断力が、ブランドの視認性と認知度を高めることに貢献しているのだ。
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