菓子事業にかじを切った際に西里社長が意識したのは、「一本足打法」からの脱却だった。沖縄の菓子メーカーの中には、1つのヒット商品に依存する企業が少なくない。しかし、西里社長はそれを危険視している。
「ちんすこうや紅いもタルトは人気ですが、それぞれの会社は一本足打法で、その次の商品がありません。そうした状況を、他山の石として見ていました」
その考え方から、雪塩さんどに続くシリーズ商品として「雪塩ふぃなん」(フィナンシェ)や「雪塩ぱりん」(ゴーフレット)などを手掛け、2025年夏にはこれまで限定販売だった「雪塩らんぐ」(ラングドシャ)もレギュラー化していくという。さらに「雪塩ザクザク」と名付けたポテトスナックも、新たに発売したばかりだ。
「私たちは次々にシリーズ商品を投入し、面で売っています。決して雪塩さんどだけで勝負しているわけではありません。ただ、雪塩さんどという主力商品があるおかげで、裾野が広がっているのは確かです。そこを逃さず、2番手、3番手を投入しています」
この戦略を、西里社長は相撲に例える。土俵際まで行った時に初めて頑張るのではなく、まだ余裕がある段階で次の勝負を仕掛け、複数の主力商品を育てることが重要だというのだ。
その多角的な戦略が奏功し、2025年3月期の売上高は51億7000万円、営業利益率は34.5%という、同社初の驚異的な数字を達成する見込みだ。上述したように、2024年には社名もパラダイスプランから宮古島の雪塩へと変更し、新たなステージに向けて歩みを進めている(インタビュー後編に続く)。
雪塩さんどは「一本足打法」で終わらない――ヒットを生み出し続ける秘密とは?
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
ナイキ「オワコン化」の足音 株価急落、新興シューズメーカーが影
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング