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「雪塩さんど」大ヒットの舞台裏 調味料から菓子事業にかじを切った、その理由とは?地域経済の底力(5/5 ページ)

» 2025年05月21日 12時00分 公開
[伏見学ITmedia]
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営業利益率は30%超え

 菓子事業にかじを切った際に西里社長が意識したのは、「一本足打法」からの脱却だった。沖縄の菓子メーカーの中には、1つのヒット商品に依存する企業が少なくない。しかし、西里社長はそれを危険視している。

 「ちんすこうや紅いもタルトは人気ですが、それぞれの会社は一本足打法で、その次の商品がありません。そうした状況を、他山の石として見ていました」

 その考え方から、雪塩さんどに続くシリーズ商品として「雪塩ふぃなん」(フィナンシェ)や「雪塩ぱりん」(ゴーフレット)などを手掛け、2025年夏にはこれまで限定販売だった「雪塩らんぐ」(ラングドシャ)もレギュラー化していくという。さらに「雪塩ザクザク」と名付けたポテトスナックも、新たに発売したばかりだ。

今後も続々とシリーズ商品をリリースしていく予定だ

 「私たちは次々にシリーズ商品を投入し、面で売っています。決して雪塩さんどだけで勝負しているわけではありません。ただ、雪塩さんどという主力商品があるおかげで、裾野が広がっているのは確かです。そこを逃さず、2番手、3番手を投入しています」

 この戦略を、西里社長は相撲に例える。土俵際まで行った時に初めて頑張るのではなく、まだ余裕がある段階で次の勝負を仕掛け、複数の主力商品を育てることが重要だというのだ。

 その多角的な戦略が奏功し、2025年3月期の売上高は51億7000万円、営業利益率は34.5%という、同社初の驚異的な数字を達成する見込みだ。上述したように、2024年には社名もパラダイスプランから宮古島の雪塩へと変更し、新たなステージに向けて歩みを進めている(インタビュー後編に続く)。

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