そうした国を挙げての施策の結果、2023年は新車販売の約3割が新エネルギー車(NEV)となっています。優遇税制があり、充電インフラも整っています。さらに、民族系メーカーが、数多くの電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を販売しています。しかも、価格は日本や欧米ブランドよりも民族系の方が安いのです。そのためユーザー目線でも、新エネルギー車(NEV)を選ぶメリットがあります。
そんなことで新エネルギー車(NEV)の販売は、2020年代に入ってから大きく伸びています。中国の新車販売における新エネルギー車(NEV)の割合は、2019年の時点で4.7%に過ぎませんでした。ところが2021年に13.4%、2022年に25.6%、2023年に31.6%と拡大しています。これは、熾(し)烈な競争を勝ち抜いてきた民族系メーカーの地力が高まったことも理由でしょう。
10年ほども前の中国車は、「日本のパクリ」と呼ばれていました。ところが、BYDなどの最新モデルに乗れば、そんな陰口は過去のものだと思わせる、高い完成度とオリジナリティを見てとることができます。
鈴木ケンイチ
モータージャーナリスト
1966年生まれ。茨城県出身。大学卒業後に一般誌/女性誌/ PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。年間3、4回の海外モーターショー取材を実施、中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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