MATSUI Bankを技術的に支えているのが、住信SBIネット銀行のBaaS(Banking as a Service)プラットフォームだ。銀行機能をシステムとして他社に提供する仕組みで、松井証券のような独立系でも銀行サービスを提供できる。
松井証券が描くのは「銀行先行」戦略である。「銀行って必ず使うじゃないですか。ネット銀行の比較で金利を見ていて『この銀行すごい高いな』というところで、まずMATSUI Bankを知ってもらえたら」と渡瀬氏は説明する。
証券取引は「特に若い人たちだと生活になじみがない」一方で、銀行は生活に不可欠だ。まず銀行で松井証券を知ってもらい、金融リテラシーが向上した段階で証券取引に誘導する長期的視点を取っている。
実績も出ている。新規で証券口座を開設する顧客の半数以上が銀行口座も同時に開設しており、松井証券の年間新規口座獲得数約10万口座のうち、年間5万口座程度がMATSUI Bankとのセット開設となっている。
資金の流れも設計通りに機能している。「証券口座から銀行口座への出金額よりも銀行口座から証券口座への入金額の方が多く、銀行口座の残高は全てニューマネーとして獲得できている」。つまり、MATSUI Bankは既存の資金を移し替えただけでなく、新たな資金流入を生み出している。
実際、4月上旬の日経平均株価急落時には「国内株スイープ入金額が増えた」という。株価下落を買い場と捉えた投資家が、銀行口座の待機資金を証券取引に活用したのである。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
仕事が遅い部下に“あるテクニック”を教えたら、「チーム全体の残業時間」が3割減ったワケ
新入社員「Web会議でカメラオンにする必要なくないですか?」 上司のあなたはどう答える?
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング