さて、本題に戻りましょう。
皆さんが関心を抱くデジタル人材育成ですが、関心が高い分、さまざまな意見や分析が出てきます。しかし、現実に自治体の課題を解決するまでに至っているケースは少ないのではないでしょうか。
一方、DXに関する話題でも、技術やツールの話題が一巡すると、決まって「最後は人材」のような話題に移り、「人がいないよねー」という結論のようなものが出て、その後は雲散霧消してしまうというパターンを繰り返しているように思います。
人を当てにしているのに、人が集まらず、育たないのでデジタル変革が進まない。一方で自治体を取り巻く環境は次第に悪化している、となると、このあたりがラストリミットなのかもしれません。
現実を変えるのは行動のみだとするならば、自治体の行動を阻んでいるのは何なのでしょうか? 行動のためのモチベーションをどこに置けばいいのか、というのが真の課題なのではないかと筆者は思います。
おそらく、自治体関係者の誰もが直視していない現実を共有したうえで、仮説検証を繰り返す。その際、大きく行動すると抗力が働くので、なるべく小さく行動することを心がける。これを現在進行形で取り組んでみたいと思います。
まずは現実を直視するフェーズから始めましょうか。
もう一度Deep Researchを使ってみましょう。
私のプロンプトは次のとおりです。もはや単なる悩み相談のような書きぶりです。
組織の中で構成員が行動するときの原動力とは何なのでしょうか?
外部(上長)からの命令、圧力、言葉など外発的な要因もありますし、自らの成長意欲や目標達成願望など、内発的な要因も考えられます。
この質問の意図は、日本の行政組織のパフォーマンスが上がらない、言い換えると、行動しない、という事象を見ているからです。
日本の公務員は能力による昇進や昇給がなく、現在は他の民間企業に比べて待遇面では劣っています。能力不足による解雇も現実的には難しいです。
これまでの組織モチベーションの研究などから、これらを説明し、日本の行政組織における解決のヒントを得たいです。
さて、Deep Researchが出力した結果は次のとおり(結果全文を見る)。
ここからみなさんは何を感じますか?
なお、先にお伝えしておきますが、この結果の中には施策のアイデアが含まれているものの、私はこれに「賛同していません」ので、これを踏まえた取り組みは改めて考えて、行動するようにします。
次回はデジタル人材のうち、「高度専門人材の役割」について考える予定です。
この記事を読んだ方に AI活用、先進企業の実践知を学ぶ
ディップは、小さく生成AI導入を開始。今では全従業員のうち、月間90%超が利用する月もあるほどに浸透、新たに「AIエージェント」事業も立ち上げました。自社の実体験をもとに「生成AIのいちばんやさしいはじめ方」を紹介します。
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