「食べログ離れ」は誤りだった 売上は過去最高を更新、利用者数はなぜ増える?(5/6 ページ)

» 2025年06月26日 13時00分 公開

インバウンド向けサービスも強化

 インバウンド市場でも利用が拡大している。中国市場向けの「WeChat miniプログラム」、それ以外の国々向けには「英語版食べログ」の2本柱で展開し、訪日客によるネット予約は、1日当たり約4000件に達している。

photo 中国市場向けには「WeChat miniプログラム」を展開

 訪日客を受け入れる飲食店への支援も行っている。多言語メニューのQRコードを無償で提供し、店舗側の手間を省いているほか、予約時にクレジットカード登録を求めることで無断キャンセルへの不安も軽減している。

 インバウンド予約で人気が高いのは「寿司」と「焼肉」だ。しかし、食べログは、より幅広いカテゴリーへの誘導を目指す。「日本ではフレンチやイタリアンのレベルも高い。海外の人には、まだなじみの薄いカテゴリーも提案していきたい」と鴻池氏は展望を語る。

photo 多言語メニューのQRコードを無償で提供

 送客を分散させることはオーバーツーリズム対策にもつながる。現在、食べログにおける訪日客の予約の平均回数は1.2回にとどまる一方で、平均宿泊日数は8〜9泊とされている。滞在中により多くの予約を促すことで、主要観光地以外への分散を狙う。

 インバウンド事業は、今後さらに拡大する見込みだ。年内には1日の予約数の倍増を目指すほか、インバウンド専用アプリの開発も進めており、旅行前のインストールから滞在中のプッシュ通知まで、一貫したマーケティングを展開していく予定だ。

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