次に、人材最適化の実現状況に応じて企業を「人材最適化実現群」と「人材最適化非実現群」に分類し、それぞれの違いを比較した。
「人材の最適化が実現できている」と回答した実現群については、「業績向上」「新価値創造」の全ての項目で3.50を上回った。一方で、非実現群は「新価値創造」の3項目において3.00を下回った。
実現群については、「人材獲得」「流動化」「活躍支援」の全てで非実現群よりもスコアが上回った。また、「流動化」の項目においては、両者に大きな差分が見られた。
この結果から、人材の最適化にはヨコ(事業間での人材リソースの最適化)とタテ(主要ポジションの適性把握と充足)の両面からのアプローチが重要だと考えられる。
人材の最適化が進んでいる企業では、業績の向上や新価値創造など成果面でも好調な結果が見られ、事業間での人材の流動性を高めることが企業成長に大きく寄与する可能性が示された。
さらに、人材の最適化を実現している企業は、どのような人事施策方針を取っているのか調査したところ、実現群では「評価」「異動」「等級」の各項目で高い数値を示した。
なかでも、「等級の格付けは能力を重視している」(4.09)、「評価は行動やプロセスを重視している」(3.79)、「評価は成果や結果を重視している」(4.26)、「異動は会社主導で行っている」(4.09)、「異動は従業員の意見や希望をできるだけ反映させている」(3.55)の項目で高い数値を示した。
実現群の企業では、成果と行動の両面を評価し、異動では会社主導と個人の希望を両立させている。非実現群との有意差を踏まえると、より能力を重視する「等級」方針であることも、人材の最適化を後押しする重要な要素であると考えられる。
調査は、企業の人事責任者、または人事担当者を務める383人を対象にインターネットで実施した。調査期間は1月8〜24日。
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