日本人にはなかなか受け入れ難い現実だが、われわれが愛してやまない「安くてうまい」というのは、中国が世界中で「仕事」をやってくれているおかげで成り立っているのだ。
ネットでは「中国と国交断絶せよ」「メイド・イン・チャイナは不買だ」と勇ましいことを言う人も多いが、本気でそれをやったら、食品だけでもさまざまなものが品不足に陥り、物価も高騰するだろう。
実際、東京税関の資料によれば、2023年に日本に持ち込まれた「生きたうなぎ」(8720トン)のうち89.4%が中国産。「うなぎ製品」(1万8018トン)のうち99.6%が中国産である。
さて、このような「うなぎの中国依存」という深刻な問題がある中で、もし本当にワシントン条約でうなぎの取引が規制されたら、わずか1万6000トンしかない国内生産能力では、今の価格を維持することが困難なのは言うまでもない。
2026年の土用丑(うし)の日は、本物のうなぎは「高級品」で一部の裕福な人しか食べられず、多くの一般消費者は日清の「謎うなぎ丼」やマルハニチロの「うなぎソーセージ」で、気分だけでも楽しもうとしているのかもしれない。
一方で供給不足に直面しているときこそ、大きなビジネスチャンスでもある。各社、うなぎビジネスを根幹から覆す技術開発に力を入れている。
それは「完全養殖」だ。
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