このような形で盛り上がっている「うなぎ商戦」を後押しするニュースも飛び込んでいる。うなぎの稚魚「シラスウナギ」が記録的な豊漁で、例年の15分の1程度の価格で取引されている地域もあるというのだ。今すぐうなぎが安くなるということはないが、秋からは値下がりするのではという見方もある。
ただ、意外なことに“うなぎビジネス”にかかわる人々はあまり浮かれていない。それどころか、「コメの次に高騰するのはうなぎかもしれない」「うなぎでこんなに稼げるのも今年で最後かも」という悲観論まで出ているのだ。
6月27日、欧州連合(EU)がドミニカ共和国など3カ国と共同で、ニホンウナギを含む世界のうなぎ全種をワシントン条約の対象に加えるよう提案したからだ。
ご存じの方も多いだろうが、ワシントン条約とは、絶滅の恐れのある野生動植物を保護するために国際取引を規制するものだ。2025年は豊漁のシラスウナギだが、不漁のときはかなりの高値で取引されることから「白いダイヤ」などと呼ばれている。もしワシントン条約でその取引が規制されれば、価値がさらに高まる可能性もある。
実際、2014年に国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定した際にもシラスウナギの取引価格は1キロ300万円に高騰。2017年には1キロ427万円と、当時の金1キロ価格を超えたと話題になった。
つまり、コメの価格がひどいときは「昨年から2倍」ほど高騰したが、それと同じことが今度はうなぎで起きるかもしれないのだ。
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