今では店内で目にする機会も増えたローソンのクレーンゲーム。店内に設置し始めてから3年が経過した。当初は数店舗だけの取り組みだったが、2024年に本格展開を始め、852店舗にまで拡大した。売り上げも目標比で150%となるなど好調だ。なぜ、コンビニのクレーンゲームが成果を上げているのか。
ローソンがクレーンゲームを設置したのは2022年で、京都の店舗オーナーからの提案がきっかけだった。コンビニで新たな顧客体験を創出することで、アミューズメント施設がない地域や、外国人観光客が多い観光地の店舗における来店動機や集客につなげる狙いだった。
当時、クレーンゲーム市場は大きく成長し、日本アミューズメント産業協会によると、市場規模は2012年から2021年の間に971億円増え、2810億円となっていた。2024年時点では3000億円を超えるなど、その後も好調を維持している。
また、同社は単なる景品の販売ではなく「体験価値」の提供にも着目した。カプセルトイのようにお金を入れれば必ず商品が出てくる仕組みとは異なり、クレーンゲームには「遊び」の要素が含まれる。「ゲーム性という体験価値を提供できる点がクレーンゲームの強み」とローソンの山口ゆみさん(エンタテインメントカンパニー、マーチャンダイザー)は語る。
市場の拡大に伴い、景品が充実するようになったことも設置を後押しした。定番のぬいぐるみに加え、ポーチなどの雑貨類もそろえられるようになり、ローソンの売り場をより魅力的にできると判断した。
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