2025年は狙い通り客層の拡大に成功し、売り上げも過去2シーズンを上回り好調に推移している。婦人向けTシャツでは販売数1位を記録し、夏物衣料全体で見ても上位に入るという。
「徐々に“無印良品のTシャツ=涼感UVカットTシャツ”という位置づけが定着し、全社の売り上げをけん引する重要な存在になりつつある」
婦人向けが好調の要因について、片岡さんが挙げたのは(1)綿100%素材の採用、(2)涼感UVによる快適性、(3)特徴的なシルエットの3点だ。
「(1)綿100%素材の採用」については、顧客が無印良品に期待する要素として「天然素材」があり、同社としても綿100%の商品を拡充していく方針だった。
「化学繊維が入ると肌に合わないという声も頂いており、2025年は婦人向け涼感UVカットTシャツ全体で綿100%素材を採用した。それにより、これまで購入してくださっていた方に加え、化学繊維が入っていたことでこれまで着られなかった方にも広がり、売り上げ増につながった」
「(2)涼感UVによる快適性」は、近年の猛暑で快適に過ごせる機能性Tシャツの需要が高まる中、涼感UVカットTシャツを投入したこと。「(3)特徴的なシルエット」はトレンドであるワイドデザインを取り入れたことで、幅広い年代から支持を得られたとしている。
紳士向けが好調な要因は、「冷感素材」と「利便性の高さ」にあるという。「売場で触れたときに分かるさらりとした生地感や、ひんやり感が購入のきっかけになっている。さらに、実際に着てみると、肌離れの良さとゆとりのあるシルエットで、さらっと着るだけで様になる。1日着たら洗濯し、翌日には乾いてまた着られる利便性もあり、それが色違いや定番の白・黒を買い足す動きにつながっている」と片岡さんは話す。
来シーズンも「涼感UVカット」シリーズとしてTシャツの販売を継続し、マイナーチェンジやアップデートも行われる予定だ。
基本的な方向性は大きく変わらない見込みだが、「顧客からの支持も厚く、重要な商品となっている。今後も顧客や店舗の声をしっかり取り入れながら、改良を検討していきたい」としている。
2026年にはどのような涼感UVカットTシャツが登場するのか。引き続き注目したい。
マッサージチェア「あんま王」が好調 民事再生から10年で売上10倍に成長した背景
130万台突破の「とろ雪かき氷器」 なぜ今も売れ続けているのか
綿100%なのに汗が染みにくい ニッセンの「Tシャツ」が11万枚突破の理由
ワークマンの“冷感Tシャツ”がヒット連発 累計180万枚超えの次に来るのは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング