スカイアクティブZはディーゼルよりも高価格になるであろうから、ディーゼルと食い合いになってしまうと、結果として収益性を悪化させる。営業部門や財務部門からNGが出されても仕方のない状況でもありそうだ。
2027年に登場するといわれているこの革新的なエンジンは、ディーゼルエンジンに近い要素がある。エンジンラインアップをある程度整理したい考えもあるだろうから、マツダにとっては悩みどころとなっているのではないだろうか。
志茂氏は、現行CX-5でディーゼルエンジン車を使っているユーザーには、CX-60の直列6気筒ディーゼルを利用してほしいと語る。
「絶対の自信作ですから。ディーゼルエンジンの理想形ですので、ぜひ味わっていただきたいですね」(志茂氏)
そうなのだ。筆者も鈴鹿サーキットまでの往復で試乗し、その燃費の良さと安定性、そして滑らかで力強い加速フィールを堪能した。
マイナーチェンジで大掛かりな仕様変更を受けたマツダCX-60。このクルマとCX-80に搭載されている直列6気筒のディーゼルエンジンは、ディーゼルとは思えないほど滑らかで、トルクフル、そして驚くほどの省燃費性を実現している(写真:meiju0919)そしてディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンにはない強みがまだまだある。それは燃料の自由度の高さだ。ガソリンエンジンはその機構上、揮発油しか燃焼させることができない。それも仕様により、極めて限られた特性のみで適正な燃焼が行える。
それと比べてディーゼルエンジンは、燃料により噴射の量やタイミングを調整する必要があるものの、自己着火する燃料であれば幅広い種類の燃料に対応できる。
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