新浪氏が「プロ経営者」として素晴らしい実績をお持ちだということは、異論の余地はない。
ただ、企業危機管理の観点では、ひいき目に見ても今回の行動は「一発退場」だ。サントリーグループ内の健康食品・サプリメント事業は、飲料・酒類部門に比べシェアが小さいものの、この分野での社員の努力を軽視するかのような発言や行動も、経営トップとしての資質に疑問を抱かせる。
とはいえ、辞任直前まで海外事業の拡大などに積極的に取り組み、世界を飛び回っていたことも事実である。今回の騒動が収束すればまた別の企業、別の役職でご活躍されるのだろう。
最低賃金引き上げや45歳定年制など、経済政策にも大きな影響を与える人物だけに、これを機に危機管理能力を高めて、日本経済発展のためにさらなる辣腕(らつわん)を振るうことを期待したい。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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「天下一品」閉店の背景は? 唯一無二の“こってり”に陰りが見える理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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