――昨今はリモートワークも増え、コミュニケーションの難しさも感じる場面があるかと思います
実は私は15年以上前から、フルリモートで教育事業を運営しています。そのため、リモートでのマネジメントには自信があります。その中で重要なのは、「意思決定の基準を明確に言語化し、見える化し、仕組み化すること」です。
うちの会社では「業務遂行確認書」として、約50項目の行動基準を明文化しています。「困ったときはこの基準を見て判断すればいい。判断結果は私が責任を取る」と伝えているんです。そうすることで、現場にいても自律的な意思決定ができる。
意思決定の基準がバラバラだと、行動も成果もバラつきます。でも基準が高く平準化されていれば、組織全体の水準も自然と上がっていく。これはリモートでも対面でも変わらない、強い組織をつくる本質です。
――最後に、これからリーダーを目指す若手や現場責任者へのメッセージをお願いします
今の時代は「ワーク・イン・ライフ」、つまり仕事は人生の一部でしかありません。でも、だからこそ「その仕事がやりがいのあるものかどうか」が人生に与える影響はとても大きい。
私はリーダーとは「働くことに希望を持たせる存在」だと思っています。そのためには、目先の目標よりも「なぜそれをやるのか?」という目的にこだわること。私はよく「これからの時代は目標志向ではなく、目的思考だ」と伝えています。
具体的な目標だけでは、人は頑張れません。大切なのは「何のために頑張るのか」に納得できること。その問いに向き合い、答えを示せるリーダーこそが、これからの組織に求められるのではないでしょうか。
嶋津良智
日本唯一の『上司学』コンサルタント。
「『あなたのもとで働けてよかった』をすべてのリーダーへ」を理念に、もっと“稼ぐ”組織を作る「上司学」「組織づくりの12分野」メソッドの開発者。
大学卒業後IT系ベンチャー企業に入社。同期100名の中で最年少営業部長に抜擢。就任3カ月で担当部門の成績が全国No.1に。28歳で独立、2004年5月株式上場(IPO)を果たす。
業績向上のための最強の組織づくりをノウハウ化した独自プログラム『上司学』が好評を博し、世界15都市でビジネスセミナーを開催。
シリーズ100万部のベストセラー『怒らない技術』をはじめ、著書累計150万部を超える。
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
【マナー】知ってた? 上司に「なるほど」と言ってはいけない
【マナー】「よろしかったでしょうか?」は、なぜNGなのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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