元球団社長が「地方の回転すし屋」に……なぜ? 銀座、国会議事堂に打って出た塩釜港の勝算地域経済の底力(3/7 ページ)

» 2025年10月03日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]

後継者として、白羽の矢が立つ

 転機は2021年12月。楽天野球団退任を発表した立花社長に、最初に声をかけたのが鎌田会長だったことだ。

 「本当に恥ずかしい話ですが、退任のプレスリリースを出したらすぐに声がかかるだろうと思っていました。でも、実際は誰からも連絡が来ませんでした」と立花社長は苦笑する。

 そんな中での塩釜港からの連絡。「鎌田さんも高齢で、後継者もいない。塩釜港を引き継いで、さらに大きくしてほしい」という依頼内容だった。

旅客ターミナル「マリンゲート塩釜」から港を望む(筆者撮影)

 立花社長にとって、まさに願ってもない話だった。その後、他社からも複数のオファーが舞い込んだものの、「ワクワクするお話をいただいたのは塩釜港だけだった」と振り返る。宮城や東北との縁を切りたくないという思いもあったという。

 M&Aという形を取り、3〜4カ月間の交渉を経て、立花社長は塩釜港の株式を取得。2022年4月に社長に就任した。

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