LLMO対策を進める上での課題 「組織全体で理解・浸透が進まない」を抑えた1位は？：企業の経営者・役員100人に聞いた

[サトウナナミ，ITmedia]

　AI検索最適化（LLMO）とは、生成AIが回答を生成する際に自社のWebコンテンツや情報が引用されやすいように最適化する手法のことを指す。AI検索が広がる中、多くの企業が「生成AIによってWebサイトへの流入が激減している」という課題に直面している。

　企業はLLMO対策にどのように取り組んでいるのか。デジタルマーケティング支援事業を展開するLANY（東京都渋谷区）が調査を実施した。

　調査はWebマーケティングを3年以上行っている企業の経営者・役員100人を対象に実施した。

企業のLLMO実態を調査（写真AC）

LLMO対策を進める上での課題　1位は？

　LLMOという概念や手法について、「詳しく理解している」とした人は4.0％にとどまった。「概要は理解している」とした人は29.0％だった。

AI検索最適化（LLMO）の認知度（LANY調べ）

　LLMOを認知している人のうち、「試験的に開始している」とした人は33.2％、「本格的に実施している」とした人は8.8％となった。

LLMOの実施状況（LANY調べ）

　また、LLMO対策で実際に得られた成果については「リード獲得コストの削減」が最も多く54.2％。以降は「AI検索経由の問い合わせ増加」（41.7％）、「営業活動の効率化」（37.5％）と続いた。

LLMO対策で実際に得られた成果（LANY調べ）

　LLMO対策を進める上での課題については、「LLMOの専門人材が不足している」が最も多く20.0％に上った。以降は「具体的な実施ロードマップが描けない」「組織全体でのLLMO理解・浸透が進まない」がそれぞれ11.0％で続いた。

LLMO対策を進める上での課題（LANY調べ）

　LLMO対策を「実施していない・予定もない」とした人は30.0％を占める結果となった。また、今後1年間のLLMO対策への投資方針を「拡大する」とした人は3割に満たなかった。市場の多数派が「まだ本格的に投資する時期ではない」と考えていることが明らかになった。

LLMO対策の方針（LANY調べ）

LLMO対策への投資方針（LANY調べ）

　一方で、競合他社がLLMO対策を実施しているかどうか「気になっている」とした人は合わせて、4割以上を占める結果に。対策の遅れが将来的な競争上の不利につながることへの潜在的な危機感がうかがえる。

競合他社がLLMO対策を実施しているかどうか気になるか（LANY調べ）

　今後3年間、AI検索の普及がどの程度ビジネスに影響を及ぼすと思うか。「かなり影響する（業界構造が変わるレベル）」（6.0％）、「やや影響する（競争優位性に大きく関わる）」（19.0％）、「ある程度影響する（重要な要素の一つになる）」（21.0％）とした人は合わせて半数程度となった。

AI検索の普及がどの程度ビジネスに影響を及ぼすと思うか（LANY調べ）