なぜ、山手線には駅ナカ施設が少ないのか? 各駅を訪れて見えた、意外な戦略鉄道の「雑学」(3/4 ページ)

» 2025年10月13日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

高架下をブランド化

 山手線には高架下を持つ駅も多い。高架下は国鉄時代からさまざまな店舗に貸し出されてきたため、筆者は「今さら特別にブランド化することはないだろう」と考えていた。

 しかし実際に各駅を巡ってみると、その認識は覆された。エキナカに加え、「エキソト」というブランドを掲げ、高架下の空間を積極的に商業施設として整備している駅があったのである。

 新橋駅の高架下の一部では、「ecute EDITION」というブランド名で、エキナカとエキソトを一体として打ち出していた。現在は工事中の場所も多いが、今後さらに店舗が増える見込みだ。

ecute EDITION

 有楽町駅の高架下もecute EDITIONとして展開されており、個性的な店舗が並ぶ。その1つが「荻野屋 弦」だ。群馬県にあるJR横川駅の駅弁「峠の釜めし」で知られる荻野屋の店舗で、昼は弁当を中心に、夜は気軽な居酒屋として営業している。

 JR東日本は、エキナカだけでなくエキソトもブランド化し、改札外の高架下にも新たな価値を見出そうとしている。限られたスペースをブランドとして確立し、商業施設へと変えていく姿勢から、同社の積極的な取り組みがうかがえた。

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