土肥: そもそもキャリーケースは、どのようなプロセスで開発しているのでしょうか?
竹内: 言葉はちょっと悪いかもしれませんが、キャリーケースって”モノを運ぶ箱”ですよね。ということもあって、他の商品と違いを出すことがとても難しい。そうした中で、どのように企画を進めているのか。部内でアイデアを出し合うわけですが、「お客さまが何を求めているのか」「気付いていないニーズは何か」を深堀りしています。
土肥: ドンキのこれまでの商品を見ると、工夫を重ねてきていますよね。お客から「車輪が弱い」という声があれば、車輪を2ミリ厚くすることで安定性を高めました。「ジッパーが固い」という指摘があれば、ファスナーを変えて滑らかさを向上させました。
従来品を少しずつリニューアルしているわけですが、個人的に気になったのは「誰が使うの?」と思ってしまうような、とんがった商品なんですよね。例えば、キャリーケースのフロント部分を透明にして、推し活グッズを見せられる商品(1万4299円)を発売しました。なぜ、このような商品を開発したのでしょうか?
中川: 年に2回、従業員からアイデアを募集しています。推し活用のキャリーバッグも従業員からのアイデアでして、発案者自身もK-POPアイドルの推し活をしているんですよね。
普段はバッグに推しのキーホルダーを付けていて、「スマホの透明ケースのように、気軽に推しグッズを見せられるキャリーケースがあったらいいな」と考えたそうです。キャリーケースの外側だけでなく、内側も推し活ができるように工夫しました。キーホルダーを付けられるベルトループや、うちわ・ペンライトを収納できるクリアポケットを備えています。
その一方で、内側には仕切りを設けて、着替えや日用品など見せたくないモノは隠して収納できるようにしました。
土肥: 当初の企画と変えた部分はありますか。
中川: フロント部分のみを透明にしていますが、開発メンバーから「全部を透明にしてはどうか?」という意見がありました。製造工程のことを考えると、全体を透明にしたほうが安くできる。しかし、発案者からは「フロントのみで」という声がありました。全体を透明にすると、見せたくないモノまで見えてしまう。こうして、現在の仕様に落ち着きました。
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