土肥: ドンキのキャリーケースが好調のようですね。直近の売り上げを見ると、年間で160億円ほど。コロナ前は50億〜60億円で推移していたそうですが、コロナ禍には10億円ほどにまで落ち込んだそうで。ま、それは仕方がないとして、なぜここ数年は好調なのでしょうか?
竹内: コロナの感染が広がって、旅行者が激減しました。その影響を受けて、キャリーケースの販売をやめたところもあるんですよね。そうした状況でも、会社の上司から「売り場をどかせ」と言われなかったので、販売を続けました。
いわゆる“残存者利益”のような形ですが、販売を続けただけでなく、売り場も広げたことによって、「ドンキに行けば、キャリーケースを買える」というイメージが定着したのかもしれません。ちなみに、購入しているのは「旅行を直前に控えている人」が多いんですよね。
土肥: ん? どういう意味でしょうか?
竹内: 旅行に行くとき、多くの人はまず飛行機などのチケットを手配します。チケットは早めに取っても、実際の準備は出発の数日前に始める人っていますよね。
「そろそろ準備をしなきゃ」と思っていても、仕事が忙しくてなかなか手が回らない。出発前日になって「キャリーケースがない。旅行用の日用品も買わなきゃ」と気付くことがあります。しかも、それが夜遅い時間だった場合、どうすればいいのか。
百貨店やショッピングセンターは閉まっているので、買えない。しかし、ドンキには24時間営業の店舗が多いので「とにかくドンキに行けば、なんとかなるかもしれない」と考える人が、キャリーケースを買って、シャンプーや歯ブラシなども購入する。旅行の準備が遅くなった人にとって、ドンキは便利な店なのかもしれません。
ちなみに、キャリーケースの売り上げのうち、約半分は外国人観光客です。なぜだか分かりますか?
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