この後、くら寿司は「しょうゆボトルなめ女」とその家族に対して巨額の損害賠償を請求していくのか。
個人的には「損害賠償まではいかない」と見ている。世論の注目度が上がって「なぜ損害賠償しないんだ」という声が高まれば提訴することもあるかもしれないが、最終的には「和解」に持っていって取り下げるはずだ。
なぜそう思うのかというと、理由は主に3つある。
(1)声明文の表現が抑制的
(2)スシローの提訴取り下げの教訓
(3)「法廷闘争の逆効果」を身をもって体験している
まず、(1)は提訴に踏み切ったスシローと比較してみると分かりやすい。ペロペロ少年の動画が拡散していることを確認した直後から、あきんどスシローはこんな「怒りの声明」を出している。
早急に警察と相談させていただきながら刑事・民事の両面から厳正に対処してまいります。(SNSで拡散されたスシロー店舗での迷惑行為について 2023年1月30日)
では、これに比べて今回のくら寿司はどうか。「警察に相談しながら」という点は共通しているが、「刑事・民事の両面」という表現もないし、断定的なもの言いではなく「厳正な対応をしていく予定」にとどめている。企業広報にとっては常識だが、この手の声明文での「予定」というワードには「そのままフェードアウトするかも」という「逃げ道」の意味もあるのだ。
加えて、筆者がくら寿司は損害賠償請求までいかないと考える最大の理由は(2)だ。
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