さて、このような話を聞くと「中国産抹茶は粗悪品で、日本産抹茶は質が高いので勝機がある」というような戦い方が、かなり“プロダクトアウト的”というか、自己中心的な現実逃避であることが理解してもらえるだろう。
われわれ日本人でさえ、石臼でひかれた本物の抹茶を食べていなくとも、ラテやアイスに入った「粉末茶」を抹茶だと捉えてうまい、うまいと食べているのだ。米国や欧州の人々に「中国産抹茶と日本産抹茶の違い」がそこまで大きな問題になるとは思えない。日本にもネパール人が経営している「インドカレー店」がたくさんあるが、「インド人がつくるカレーとは質が違う!」などと騒ぐ人は少ない。
しかも、もっと言ってしまうと、世界の人々が「抹茶」に求めているのはそこではない。
2025年5月、辻利一本店がクロスマーケティング社と共同で外国人を対象に実施した「抹茶に対するイメージ調査」(対象:7カ国、1140人)では「健康に良い」が最も多く、「おいしい」を上回っている。つまり、中国産抹茶も「健康良い」ことを市場に周知できれば、「日本の抹茶よりも質が悪い」うんぬんはそれほど関係がないのだ。
では、このような現実を踏まえて、日本はどう戦うべきかというと、既に日本の優秀な官僚たちが考えている。
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