矢島氏はハワイアン航空と連携したメリットについて「航空とクルーズとがバラバラでメッセージを発信するよりは、両社が統一してアプローチした方が効果的です。旅行会社からのポジティブな反応をもらっています」と話す。「フライ&クルーズ」を一層、普及させていきたい考えだ。
ハワイアン航空は2024年、米国北西部とアラスカ地域を得意とする全米5位のアラスカ航空に買収され、その傘下に入っている。坂口日本支社長は「ハワイに来る日本人観光客は、コロナ前と比べて半分以下で、まだ戻ってきていません。1〜7月の数字を見ても、2024年と比べてほぼ横ばいです」と話し、日本人観光客の減少を憂う。両社が連携することによって、日本人観光客を何とかハワイに戻したいとの願いが込められているようだ。
親会社のアラスカ航空はシアトルを拠点とし、クルーズ観光地のアラスカにも多くの便を運航している。そのため、坂口支社長は「ハワイクルーズを楽しんだ観光客を、アラスカクルーズにつなげることも可能になります」と、クルーズ旅行の広がる可能性を指摘する。
アラスカ航空は、マイレージポイントなどを加盟航空会社間で利用できる「ワンワールド」のメンバーだ。ハワイアン航空も2026年には加盟予定だという。ハワイに強い日本航空も「ワンワールド」のメンバーであるため、この3社は強みを生かせる利点もある。
一方、全日空が2019年、ハワイ向けに520人乗りの超大型機A380を「成田−ホノルル間」に就航させた。同社もハワイ路線の旅客キャパシティを増やしている。
日本航空子会社のLCC(格安航空)ZIPAIR Tokyoは、成田とホノルルの間を週3〜4便(季節によって変動)を片道運賃3万5000円という格安運賃で飛ばしている。日本とホノルルを結ぶ路線はさらに競争が激化し、少ないパイの奪い合いになりそうだ。その中で、ハワイアン航空が、こうした「フライ&クルーズ」の旅行商品を活用して、ハワイに向かう日本人客をどこまで獲得できるかが課題になる。
日本人に人気がある「フライ&クルーズ」は、日本からイタリアやスペインに飛んで、そこからクルーズ船に乗り、1〜2週間ほど風光明媚な地中海のサントリーニ島などを巡るコースだ。日本人観光客を重視したハワイの島を巡る「フライ&クルーズ」が、今後どれだけの日本人客を集客できるか。正念場となりそうだ。
行ってみたい海外旅行地として、ハワイは常に上位にある。これまでは飛行機で飛んでワイキキビーチや買い物などで楽しんで帰国するのが常道だった。そこに「フライ&クルーズ」という新しい旅行の選択肢が増えたわけだ。
料金的には安くはないものの、ゆったりと自分のペースで島を巡るクルーズの利点がある。それを生かすことで、これまでなかった新しい旅の体験を提供する構えだ。この魅力がSNSなどを通して広がっていけば、まだ多くの消費者にとってなじみの薄い「フライ&クルーズ」という新たな旅行スタイルが、日本の旅行業界に広がる可能性がある。両社の次の一手が、ハワイ旅行復活の刺激剤になるかどうか。
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