生成AI時代、SFAは“用済み”なのか 現場のマネジャーが考えるべきこと「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)

» 2025年11月10日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

生成AIが実現する3つの可能性

 もう少し網羅的に書いていきたい。生成AIの進化によって、次の3つが実現可能になりつつある。

  1. 提案タイミングの最適化
  2. プロセス分析と予測
  3. データの自動収集

一つずつ解説していこう。

提案タイミングの最適化

 AIがメールのやり取りやカレンダーから、顧客の行動パターンを学習する。そして「このタイミングで、この提案をすべきだ」とアドバイスしてくれるのだ。

 例えば顧客が新規事業立ち上げの準備をしているとする。AIがメールの文面から察知し、「今がチャンスです。この提案書を送りましょう」と教えてくれる。

プロセス分析と予測

 営業パイプライン(見込み客から成約までの営業プロセスを段階的に可視化したもの)のボトルネックを特定し、売上予測をリアルタイムで出力する。どこで商談が停滞しているのか。どの顧客が失注リスクが高いのか。AIが自動的に分析してくれるのだ。

フィードバックや助言

 AIがスケジュールやメールのやり取りを常に監視し、問題解決のためのフィードバックをしてくれる。

 例えば重要顧客へのフォロー漏れがないか。返信を忘れているメールはないか。行くべき先に訪問できているか。こうした営業活動の「抜け漏れ」を、AIエージェントが自動的にチェックするのだ。

 「A社の部長から2週間前にメールが来ていますが、まだ返信していません」

 「B社とは3カ月間接触がありません。失注リスクがあります」

 このように、AIが営業担当者に助言してくれる。マネジャーが逐一確認しなくても、AIが機会損失を防いでくれるのである。

 これら3つが実現すれば、マネジャーは「これで十分だ」と考えることだろう。

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