「顧客と正対する」ファイターズが成果指標としているものは何なのか。「売り上げや来場数といった事業目標を達成するためにKPIとして見ているのは、『滞在時間』と『来場回数』だ」と語る田邊氏。一日中遊べるFビレッジだからこそ、滞在時間が長ければ長いほど、来場回数が多ければ多いほど、顧客を楽しませることができたと見ることができるからだ。
例えば滞在時間をのばすために、アプリでバスの待ち時間やリアルタイムの運行状況を表示するようにした。Fビレッジの新駅は2028年の夏に開業予定。現在はまだ電車が使えないぶん、バスに利用が集中するため、試合終了後の待ち時間は90〜120分に及ぶこともあるという。
だが、先に待ち時間が長いと分かっていれば、「長い列に並んでひたすら待つよりも、ちょっとどこかの飲食店に入って、休憩してからゆっくり帰るか」と考える顧客も出てくるだろう。実際、乗車までの目安時間をアプリで表示する前後を比較してみると、2023年には平均滞在時間が2時間58分だったのに対し、今は3時間55分にまで伸びたという。
もう一つのKPIである来場回数を伸ばす施策の例として、ファイターズではファンクラブ会員限定で、チェックイン回数に応じたプレゼントを渡している。
試合観戦後、熱狂の余韻が残るタイミングで、次回の観戦に誘導するメッセージを配信。試合直後に「次回の来場回数プレゼントまでもう少し!」というメッセージを目にしたら、思わずチケット購入ボタンを押してしまうのがファン心理だろう。事実、チケット購入が最大10%リフトしたそうだ。
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