企業のテクニカルサポート現場で、AIを活用した音声ボットの導入が広がっている。こうした自動応答の仕組みは顧客満足度向上につながるのか、はたまた顧客満足度を下げてしまう可能性があるのか――。J.D. パワー ジャパン(東京都港区)が調査を実施した。
テクニカルサポートコールセンターの総合満足度は「サーバ部門」が670ポイント(前年比マイナス5ポイント)、「PC/タブレット部門」が663ポイント(同マイナス1ポイント)、「コピー機/プリンター部門」が697ポイント(同マイナス1ポイント)、「業務ソフト部門」が677ポイント(同プラス4ポイント)となった。
どの部門も昨年から大きな変動は見られないものの、「サーバ部門」「PC/タブレット部門」「コピー機/プリンター部門」では、一昨年から緩やかにスコアが低下している。また、3部門共に「電話のつながりやすさ」(応対開始までの時間)において、年々評価が低下している様子が明らかになった。
「電話のつながりやすさ」は、総合満足度の測定にあたって設定した7つの評価ファクターの中で、影響度が最も高いファクターとなっている。同社は「コールセンターの待ち時間は、B2Bサポートにおいては顧客の業務継続に直結する重要な要素であり、改善に向けた取り組みが求められる」とコメントしている。
昨今、コールセンターにおいては、待ち時間の短縮や応答率の改善、人手不足の解消、業務効率化などを目的として、AIを活用した音声ボットによる自動受付・対応システムを導入する企業が増加している。
オペレーターとの通話なしで、「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースは、「サーバ部門」で11%、「PC/タブレット部門」で10%、「コピー機/プリンター部門」で6%、「業務ソフト部門」で9%となり、いずれも1割前後にとどまる結果となった。
「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースの総合満足度は、いずれの部門においても全体平均を下回る水準となり、「最終的に解決しなかった/まだ解決していない」という回答が多く見られた。
音声ボットの活用は、業務効率化や待ち時間の短縮といった面で一定の効果がある一方で、複雑な用件への対応や顧客の安心感といった観点では依然として課題が多いと考えられる。
同社は「今後は、有人対応との適切な棲み分けや連携に加え、音声認識の精度や回答内容の品質改善が重要となる」とコメントしている。
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