ツルハHDは、ドラッグストアの他に調剤薬局も運営する。ドラッグストア内に調剤薬局を併設する店舗もある。
また、ドラッグストアだけだった店に調剤薬局を併設するなど、オープン後に業態を変える店舗もあるため、「店舗の業態の変更や追加に柔軟かつシームレスに対応できる仕組みが求められた」と若林氏は振り返る。
そこで開発したのが、親子別のデータベースからなる店舗マスタアプリだ。
店舗名や電話番号、住所といった店舗ごとの基本情報は“親”データベースである「基本DB」に、業態区分など業態に関する情報は“子”データベースの「運営情報DB」に格納した。運営情報DBにある基本情報は自動連携する仕組みだ。
途中で業態が変わる場合は「文書改定申請」アプリで申請するようルール化した。アプリで申請した内容が承認を経ることで、変更箇所が基本DBと運営情報DBに反映される。
「作成したデータベースは、全社で唯一信頼できる店舗マスタデータ──“神様データ”となった」と若林氏。
「当初は、自分の業務効率化のために始めた店舗マスタデータの整備だったが、正確な情報が格納されていることもあり、『〇〇エリアの、店舗併設の調剤薬局はいつ開店する?』といった問い合わせが来るなど、次第に社内へと広がって重宝されるようになっていった」(若林氏)
当時の上長であった経営戦略本部 経営企画部部長 河原高志氏は動画インタビューの中で、「店舗データがExcelで管理されていることに驚いたが、それが10人10様のルールで作られていた。IR部門ですら、他部署のデータを見て答え合わせをしているような状態だった。いつかは店舗情報をまとめて、全体の最適解として構築しなければならないと考えていたので、彼(若林氏)の取り組みには期待していた」と語った。
データを紙・Excelで“バラバラ”管理 松屋が店舗運用のデジタル化を「現場主導」で成し遂げられた理由
流入「80%減」 AI検索で大打撃を受けたHubSpotは、どうやって“未来の顧客”を取り戻した?
米Google幹部を直撃 年間「5兆回超」の検索は、AIでどう変わるか?
GPT-5が大学院生なら、楽天のAIは高校生レベル? それでも挑む“日本語特化AI”の勝算
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング