直営で7つのレストランを運営する品川プリンスホテルでは、コロナ禍明けの2023年から洋食だけでなく、和食や中華でもアフタヌーンティーを始めた。季節ごとにメニューを変え、時に外部とのコラボも実施して、一定の人気を得ているという。
そうした流れのなか、2025年1〜2月に和食レストラン「味街道 五十三次」で、体験型アフタヌーンティーを初めて提供したところ、過去最大の反響となった。全74日間で販売数が1200食以上なので、1日換算で約16食となる。ラウンジで提供する洋食のアフタヌーンティーと比べれば少ないが、和食レストランでは想定以上だった。
同企画は、日本あんこ協会(あんこの普及を目的とした団体)に監修を依頼し、さまざまな食材とあんことの相性を感じてもらえるようフォンデュスタイルで提供した。温かい「つぶあん」と冷たい「皮むきあん」の2種類を用意して、フォンデュ用の食材にはイチゴや団子を添えた。
「近年は、お客さま自身で仕上げを行うスイーツをSNSでよく見かけます。そうした流行をヒントにあんこのフォンデュに目を付けました。ダメ元で日本あんこ協会さんに打診したところ快諾いただき、あんこの魅力を堪能できる内容に仕上がりました」(土田氏)
味街道 五十三次は落ち着いた和食レストランで、主な顧客層は40〜60代となる。アフタヌーンティーにおいても40代以上が中心で、普段は女性がほとんどだが、体験型アフタヌーンティーでは男性の姿も多く見られたという。
「全体では女性のほうが多いのですが、想定以上にご夫婦での来店があり、お話を聞くと『夫があんこが好きだから』とのこと。男性1〜2人で来店される方もいて、アフタヌーンティーでも男性がターゲットになり得るのだと発見がありました。男性に最もささったポイントは、『あんこを主役に据えたこと』だと考えています。加えて、体験型も他店との差別化になったのかもしれません」(土田氏)
同プランでは、1日1組限定の「こたつ席」も用意した。こちらも好調で早々に売り切れたそうだ。
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