アフタヌーンティーの人気が高まるにつれ、ホテルだけでなく、街なかのカフェやレストランでもアフタヌーンティーを販売するようになった。いわば飽和状態で、各社で顧客を奪い合っているのかもしれない。
そんななか、どのように差別化を図るのかが各社の最大の課題となっている。品川プリンスホテルでは、外部とのコラボを積極的に実施して体験価値を高めているという。
「当社では、マーケティング担当だけでなく、調理やサービス担当の社員も交えながら自由に意見を出し合って、毎回のテーマを決定しています。近年多いのは外部とのコラボで、今年の春には品川プリンスホテルと新横浜プリンスホテルで、2.5次元舞台MANKAI STAGE『A3!(エースリー)』ACT3! 2025とのコラボメニューを販売しました」(土田氏)
一方、ウェスティンホテル大阪では他ブランドとのコラボは行わず、自社企画で勝負する方針だ。
「他ブランドの意向を汲(く)むことによって味が落ちることを懸念しており、それよりも料理長の思いを大事にしています。ブランドではなく、食材とのコラボでしたら歓迎しています」(近藤氏)
また、ウェスティンホテル大阪では、体験型アフタヌーンティーが好調な半面、提供可能数が限られていることも課題だと認識している。職人の実演を目の前で見られる特別感がウリのためカウンター席を使用しているが、7席と少ない。さらにランチなどの別メニューでもカウンターを利用することから、土日は予約が取りづらくなる。
季節ごとのメニュー開発も労力がかかり、「料理長が毎回ヒィヒィ言いながら考えている」(近藤氏)と言うが、アフタヌーンティーの集客への貢献は大きい。来年は、さらなる“進化系”アフタヌーンティーも登場するかもしれない。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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