必要なことは、対話を繰り返しながら、段階的に質を高めていく、期待する回答に近付けていくプロセスです。
例えば、人事部門で「新人研修プログラムを刷新したい」と考えているケースを想定してみましょう。
初回の質問で、「若手社員のロールプレイ研修を考えていますが、どんなメニューがおすすめですか?」と投げかけると、生成AIからは複数のサンプル研修案が得られます。
しかし、その中には「うちの社風には合わない」「既存の研修とかぶっている」という不都合な要素が含まれているかもしれません。
このような場合は、生成AIの回答に対して、追加で「社風はベンチャー気質が強く、上司とフラットにコミュニケーションをとれる環境です」という情報や、「既存研修のリスト」を与えて再度提案を依頼することで、より社内実情に即したプログラム案が得られるでしょう。
ここでの受け答えの方法で使えるのが、
1.具体化する
2. 別視点を探る
3. 追加/修正を依頼する
4. 疑問を投げかけてみる
5. 逆に生成AIに質問をさせる
6. 別のフォーマットに形式を変換する
といったパターンです。
対話を重ねる中で、生成AIとの認識がすり合わされていくイメージを持つことが重要なのです。まるで、人間同士のブレストで最初に出たアイデアを何度も修正・補強して完成形に近づけるのと同じように、生成AIとの対話も連続性をもってアップデートしていく必要があります。
1回の応答だけで結論を出そうとせず、あくまでも「途中経過としての回答」と捉えることが、ビジネスシーンでの生成AI活用において極めて大切な考え方です。
生成AIを実務上でうまく使うには、どんな成果物を目指すかを明確にイメージしておくことがとても重要です。
生成AIは、言語指示によって指定されたゴールに向かって文章やデザインを生成するため、ゴール設定が曖昧(あいまい)だと、指示もブレブレになってしまい、回答してきた内容も曖昧になりがちだからです。
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