逆に、「最終的にこんな成果物を作りたい」とイメージがしっかりしているほど、プロンプトも自然と的確なものになり、出力の質が上がります。
例えば、新規事業の企画書を作る場合、「新規事業の構想を書いてほしい」だけでは不十分です。最終的な企画書が「A4で5ページ程度、経営会議に提出するフォーマルな文体、表やグラフを使って収益予測を見せる」といったイメージが固まっているなら、それを具体的に生成AIに伝えましょう。
すると生成AIは「表やグラフ」の挿入を意識した文章を出しやすくなりますし、必要な要素を箇条書きで整理してくれます。結果として、最初からある程度完成度の高いドラフトが得られ、修正作業にかける時間を大幅に削減できるでしょう。
では、「成果物をクリアにイメージする」といっても、どの程度明瞭にイメージできていればいいのでしょうか? 下記は、成果物を明瞭にするための視点の例です。
上記の視点が明瞭であればあるほど、より的確な指示を出せ、生成AIの回答は求める内容に近付くことでしょう。
「成果物のイメージを持つ」際に、さらにおすすめなのが 「例示」 の条件設定を積極的に使うことです。
例えば、自社の過去の企画書や、他社の優れた事例などを要所で引用することで、生成AIが「これに近いイメージを作ればよいのか」と理解しやすくなります。
もちろん、機密情報は直接入力せず、要約や一部伏字にした形で提示しますが、それでも生成AIにとっては参考になる材料となります。ぜひ活用してみてください。
株式会社アリストル 代表取締役CEO
2011年東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学修了。新卒で電通に入社しデジタルマーケティングを専門に、保険、EC、消費者金融等の広告主に対して戦略立案、および広告運用の統括を担当。2015年、シンガポールに移住しIMJ-IP(現Spiral Ventures)に参画、ベンチャーキャピタリストとして活動開始。東南アジアで投資、バリューアップ、ファンドレイズを担当。2017年に帰国後、スパークス・グループで未来創生ファンドに参画し、世界中のAI/ロボティクスベンチャーへの投資業務に従事。2018年に株式会社アリストルを設立し代表取締役に就任、現在に至る。2021年4月より東京大学で学術専門職員、2025年4月より立命館大学で客員准教授も務める。
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