なぜ信託銀行がネット銀行にこれほどの資金を投じるのか。大山社長の説明からは、「金利ある世界」への回帰を見据えた戦略が読み取れる。
「金利のある世界になると、預金は非常に重要になる」と大山社長は語る。長く続いた超低金利時代、預金は銀行にとってコストでしかなかった。だが金利上昇局面では、低コストで安定的に集められる預金が収益の源泉となる。そして預金獲得においては、店舗を持たないネット銀行に優位性がある。
住宅ローン市場での役割分担は次のようになる。住信SBIネット銀行は住宅ローンの新規実行額で国内トップシェアを誇る。大山社長は「定型化された住宅ローンはネット銀行で扱った方が優位性がある。積極的に紹介していきたい」と述べ、従来は競合関係にあった両行の住宅ローン事業を統合的に運営する方針を示した。三井住友信託銀行は富裕層向けの個別融資にリソースを集中させる。
顧客の送客についても具体像を語った。「当社の一般個人向け業務や定型的なサービスを利用している顧客はできるだけネット銀行に誘導する。一方、ネット銀行の顧客で資産運用や相続の相談をしたい方は我々の方に移行する」。双方向の送客で、グループ全体の収益最大化を図る構えだ。
ただし大山社長は「ネットとリアルの融合は口で言うほど簡単ではない」とも認める。同行が注力するオンラインコンサルティング(約70万人、残高約2兆円をフォロー)を橋渡し役に、段階的に信託サービスへつなげる考えだ。
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