サービス連携と並ぶもう一つの目玉が、生成AIを活用した「NEOBANK ai」だ。円山社長は「自ら導線を探して手続きするUIから、あなたに合わせるジェネレーティブUIへ」と表現する。従来の銀行アプリでは、振り込み一つにもメニューをたどり画面を何度も遷移する必要があった。NEOBANK aiなら「田村さんに3000円送って」と音声で伝えるだけで完了する。
会見で公開されたデモ映像は、その実力を示していた。テキストや音声での指示に加え、レシートの写真を送って「この会費、集金できてる?」と尋ねると、AIが家計簿データと照合して回答する。円山社長によれば「2年目や4年目のエンジニアがたった3カ月で作った」という。開発環境では完成済みで、2026年2月からベータテストを始める。
構想はさらに先を見据える。当初は自社アプリ内での提供だが、将来的にはOpenAIやGeminiといった外部の生成AIプラットフォームから直接銀行取引ができるようにし、アプリを開くという行為すら不要になる世界――円山社長が「インビジブルバンキング」と呼ぶ、金融サービスの究極の姿だ。
もう一つ、住信SBIネット銀行の成長を支えてきたのが、BaaS(Banking as a Service)事業だ。自社の銀行機能をAPIで外部企業に提供し、提携先のブランドで銀行サービスを展開する「NEOBANK」モデルである。現在、航空、鉄道、不動産、小売など約30社にフルバンキング機能を提供しており、新規顧客獲得の約7割をこのBaaS経由が占めるという。
円山社長はこのBaaSをさらに進化させる構想を示した。「バンキング・アズ・ア・サービスから、エコシステム・アズ・ア・サービスへ」。銀行機能だけでなく、ドコモグループの通信、エンタメ、ポイント、決済、さらに三井住友信託銀行の専門サービスを組み合わせた「スマートライフプラットフォーム」として提供していく考えだ。
提供先の候補は広がる。ドコモグループの法人顧客、dポイント加盟店、三井住友信託銀行の法人顧客など、3社の取引先ネットワークを活用できる。円山社長は「自分たちの中だけで閉じるのではなく、外にも開いていく」と強調した。
ドコモの前田社長もドコモショップの活用に言及した。全国に広がる店舗網を通じて金融商品を紹介する構想だ。法令面の調整は必要だが、すでに一部代理店では住宅ローンの取り扱いを始めている。
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